一関市 一関 ホンダ フリード たまにエンジン始動しない 燃料系 大東モーター

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一関 ホンダ フリード たまにエンジン始動しない 燃料系

入庫理由
・朝エンジンがかからないので来てほしい。バッテリーが上がったようだという電話がお客様からきた。

診断結果
・バッテリーが上がってたため、ジャンピングで始動させ、10年くらいバッテリーを変えてないということで、バッテリー交換することにした。

修理内容
・バッテリー交換。

再入庫理由
・数日後、再びエンジンがかからないと連絡がきて、自宅まで行ってみた。セルは回るけど、全くかからないという。
話しを詳しく聞くと、数日前も、セルは回っていたが、全然かからず、ずっとセル回していたらバッテリーが上がってしまったようだ。

診断結果
・セルを回したら、普通にかかった。

バッテリーは変えてあるし、先月イリジウムプラグとかも替えてある。エンジンがかかってしまったので、原因がわからないので、一度車を借りることにして、症状が再度出るのを待ってみることにした。
しかし、何日経っても症状が出ず。
一度お客様に車を返却した。


再々入庫理由
・さらに日が経った日、またエンジンがかからないということで、自宅まで行ってみたところ、たしかにエンジンがかからない。セルは回るし、もうちょいでかかりそうなので、アクセルを調整しながらセルを回してみたが、爆発が起きたときに燃料を送ると、一瞬エンジンかかるが即止まったり、逆にアクセル踏むと爆発しなくなったりと、うまくいかず。
レッカー搬送して持ち帰ることにした。
店についてエンジンをかけてみたら、即エンジンがかかってしまった。

数日かけて、症状が出るときと、出ないときの違いとかを調べた。
どうやら、早朝しか症状は出ない。
一度エンジンがかかったら、翌日以降にしか症状は出ない。
朝、気温が0度以下のときにしか症状が出ない。
エンジンがかからないときに、セルを回して、かかるようになるまでの時間は、まちまちで、早ければ一分後にはかかるし、かからないときは、30分くらいかからないが、かかるときは突然かかる。

プラグなどは異常なく、バッテリーも、ジャンピング状態でも変わらない。圧縮も正常。燃料も来てる。

燃料が来てる時点で、燃料は無いと思ったが、原因がなかなかわからない。整備書で、イグニッションONから何秒間で何ミリリットルの燃料が送られてくるかで、燃料ポンプを点検する方法があると載ってたので、やってみた。

 燃料ポンプ排出量の点検

ポンプの排出量は正常だったが、なんかよく見ると、燃料が分離してる。

今度は少量だけ抜いてみた。

エンジン手前のホースから抜いた燃料なのに、こんなにゴミと、大量の水が出てきた。
かからないわけだ。
じゃあ燃料フィルターや、燃料タンクはどうなってるのだろうと思って点検してみた。

 燃料ポンプ取り外し

室内をバラして、燃料ポンプを取り外し、燃料タンクの中を覗いてみました。ゴミは少しあるが、矢印のとこに、分離した水が見えます。

 燃料ポンプ分解

燃料ポンプを分解してみます。

フィルターがゴミとヘドロでびっしり。
ポンプのケースの底も、ヘドロ状の水分でびっしり。

 燃料抜き取り

タンクから燃料を抜き取り、タンクを車両から取り外し、タンクに残った燃料や水分などをペール缶に抜き取る。

タンクの中も結構ゴミ、水分があった。

少量の燃料と水分がタンク内に残って出てこないので、ペーパーで綺麗に拭き取って除去した。


エンジンがかからなかった原因は、この水分が、早朝の零下のときにポンプケースやフィルターで水分が凍って、燃料が必要量流れなかったり、失火させたりしたのが原因と思われる。

ポンプは正常に動いているので、フィルターだけの交換で済むのだが、30万キロの過走行車であるため、後日ポンプが寿命で壊れるなんてこともあるかもしれないので、ポンプAssy(フィルターセット)交換を希望されたので、Assy交換しました。

 燃料ポンプ交換

燃料タンクを車両に取付、燃料ポンプAssyを取付て、抜き取った燃料を濾してタンクに戻す。

念の為、水抜き剤を投入し、足りない分の燃料を補充した。

その後数日預かり、零下でも始動することを数日確認し、失火などが起きないことも、モニターで確認し、納車した。


昔の車と違い、タンクが樹脂になったことで、あまり水抜き剤を使用することは無いのだが、年数や走行距離が増えると、こういうこともあるんだなと実感したが、年配の整備士さんによれば、昔はフィルターが凍ったりすることはよくあったらしい。ただ、ここ30年くらいは、まずそういう修理はほとんどないという。
自分も20年くらいやってるが、燃料タンクの中に水分が混入してたのを初めて見たくらいである。貴重なものを見させていただきました。

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